医療事故公表基準
公表の意義・目的
- 地域医療を担う病院としての社会的責務をはたし、提供する医療に対する地域住民の信頼性の向上に資する。
- 医療や病院運営の透明性を高め、市民・患者の知る権利に応えるなど社会に対する説明責任を果たす。
- 医学的に的確な情報を提供することにより、他の医療機関への警鐘となり医療の安全性向上に資する。
- 起こった事実の原因究明と再発防止策を行なうことにより、安全で質の高い医療を提供する。
公表する医療事故等の範囲
- 患者に重大な傷害を与え、医療従事者又は医療機関に過失があり、かつ傷害と過失の因果関係が明白であるものとする。この場合の重大な傷害とは次のものをいう。
1.死亡したもの
2.重篤で永続的な傷害や後遺症が残ったもの
3.濃厚な処置や治療が必要となったもの - 過失の有無が不明であるが重大な傷害を与えた場合は、医療安全管理委員会において公表するか否かの検討をする。
- その他当院が必要と判断したもの
公表の判断
上記範囲の事故で、公表するか否かの判断は医療安全管理委員会の検討を踏まえ、病院長が判断する。医療安全管理委員会が開催できず、病院長が緊急に公表を必要と判断した場合は、病院長の判断に基づき公表することができる。
公表の時期と方法
- 公表を決定した場合は、調査中においても速やかに公表する。ただし、事故後の臨床経過、原因究明の状況、患者および家族の公表に関する同意などを総合的に判断した上で決定する。
公表先は、次のとおりとして、事故の程度、緊急度を踏まえて適切な方法により行なう。
- 中津川警察署
- 中津川市健康福祉部
- 厚生労働省東海北陸厚生局
- 恵那保健所
- その他
5.公表内容
- 個別公表
事故の概要、事故原因の考察、再発防止策、その他必要と思われる事項とする。
- 一括公表
事故の件数(種類別、レベル別など)と主な改善策と是正確認、その他とする。
6.公表にあたっての留意点
- 公表にあたっては患者の個人情報および患者の特定につながる可能性のある情報は公表しない。
- 関係する医療従事者の個人情報や特定につながる可能性のある情報についても公表しない。
- 個別公表にあたっては、家族(状況が許せば患者さん本人も)に対し事前に十分説明し、原則として文書により同意を受ける。
7.医療事故調査後の再報告
個別公表事例については、医療安全管理委員会が事実経過を検証し、事故原因・背景・再発防止策を分析・検討し、その結果を報告書として取りまとめる。また、その結果について患者さんおよび家族へ報告するとともに、概ね事故発生から半年を目途に公表する。
付則
本基準を改変する場合は、医療安全管理委員会の討議をへて行なう。
この基準は、平成19年10月18日、運営委員会の承認を得たので当日から適用する。